「マザー・テレサとその世界」を読んで 前田 美聖

「マザー・テレサの存在は、日本ではほとんど知られていなかった…。」
私は、この本の一行目でびっくりしてしまいました。ではなぜ、今
マザー・テレサを私達が知っているのか、それは1979年度ノーベル
平和賞の受賞を契機としてその信仰と働きが、多くの人々に一気に
身近なものになったと著者が伝えています。私は、母が映画でマザー・
テレサのことを知り、母からマザー・テレサのことを聞きました。
マザー・テレサがノーベル平和賞を受け取ったとき、
「私個人はノーベル平和賞に値するとは思いません。しかし、人々が貧困
問題にもっと目を向けるために、この賞が与えられたものと思います。」
と言いました。これはびっくりぎょう天です。さらに、
「私達を愛と信頼とで受け入れてくださったカルカッタの貧しい人たちに
感謝します。」
と言ったのです。貧しい人達に感謝するなんて考えたことがありません。
でも、それほどマザー・テレサはすばらしい人なんですね。
マザー・テレサは、ある記者に
「彼女は極端に小柄ですよ。それなのに、どうしてあれほどの仕事ができ
るのか不思議ですね。」
と言われました。私も同感です。マザー・テレサの写真を見る限り小柄な
おばあちゃんです。でも、いろんなすばらしい活動を行なっています。まる
で魔法を使っているかのようです。人を愛し、人を助け、数えきれないほどの
人を救う…。これを毎日毎日やりとげているのです。
「神様のおのぞみならば、私はどこへでもまいります。たとえ遅れてもそうし
ます。」
この言葉は私の心に小さな小さな灯をくれました。信仰と決心の灯です。さ
らに私達子供のことを神様の贈り物と言ってくれました。神様からの贈り物
だよ、と言われてとてもうれしいです。
マザー・テレサは、
「この世で最大の不幸は、貧しさや病ではない、むしろ、そのことによって見
捨てられ、だれからも自分は必要とされていないと感じることである。」
と言っています。つまりどんなに貧しい人でも、どんなひどい病でも、不幸で
はないんです。だから貧しい、病があるといってすぐにあきらめないでほし
いです。今年の「24時間テレビ」のテーマのように「未来」を見つめて希望を
もって生きてほしいです。
このマザー・テレサの言葉は、希望になります。私はこの本を読んでいたら、
マザー・テレサに会いたくなりました。マザー・テレサの愛の大きさをいつも心
の支えとして生きていけたらと思います。

千葉茂樹/編・著 女子パウロ会